本書はリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの共著である。
副題は、「100年時代の人生戦略」。
翻訳本だし、約400ページとけっこう読みごたえがあったが、これからの寿命100年時代を生きるアドバイスがたくさん書かれていたので紹介する。
内容を簡単に要約すると、
「医療の発達による平均寿命の上昇により、これまでの3ステージ(教育→仕事→引退)での人生は機能しなくなるため、マルチステージの新しい働き方をする必要がある」
ということだ。
寿命が延びるというと、将来年金がもらえないんじゃないかとか、もっと長い期間働かないといけないとか、いろいろとネガティブな方向にいきがちだ。
しかし本書では、長寿化の恩恵に最大限浴するために、いったいどう行動していけばいいかということが書かれている。
なぜ今までの働き方ではいけなくなるのか?
今までの労働市場は変化が比較的少なかったが、これからの世代は長寿化により70代、80代まで働く必要が出てくるから、生涯に2つ、もしくは3つのキャリアを持つようになるため。
ロボットやAIなど、時代の変化はめまぐるしく変わる。
だからこそ、代替されないようなスキルを持つことが求められるし、受け身になって働くのではなく、自ら考え、生きがいといえる仕事を長く続けられるようにする必要がある。
そのためには、「自分が本当に楽しいと思えることは何なのか」を理解しなければならない。
それはつまり、自分とは何かを理解することでもある。人生が短く、人々が人生で多くの移行を経験しなかった頃は、とりたてて深く考えなくても「私は何者か?」という問いの答えはおのずと見えて来た。しかし、人生が長くなり、多くの移行を経験する時代には、人生全体を貫く要素がなにかを意識的に問わなくてはならない。さまざまな変化を重ねつつも、自分の本質であり続ける要素とは、なんなのか?
無形の資産の重要性
本書では、3人の架空の人物を登場させ、それぞれの人生をシュミレーションしている。
- ジャック(1945年生まれ)
- ジミー (1971年生まれ)
- ジェーン(1998年生まれ)
これがすごく分かりやすかった。
お金などの有形の資産はもちろん大事だが、本書では無形の資産の重要性について特に論じられている。
無形の資産は長寿化との関係を基準に、以下の3つのカテゴリーに分類される。
- 生産性資産・・・スキル、知識、仲間、評判
- 活力資産・・・・健康、バランスの取れた生活、友人関係
- 変身資産・・・・自分についての知識、多様性に富んだネットワーク、新しい経験に対して開かれた姿勢
これが個人的には分かりづらかったのだが、要は生産性資産が仕事における資産で、活力資産がプライベートにおける資産、変身資産が長寿化時代に新たに必要になる資産ということだろう。
感想
本当は、他にもマルチステージの具体的な説明についてまとめてみようとした。
しかし、ここまで来て疲れてしまった。笑
それほどまでに、本書には重要なことがぎっしり詰まっていて、情報量が多い。
気になった人は、ぜひ読んでみてほしい。
さて、人々の寿命が延びたことで、引退までの時間も延びた。
しかし、それに悲観する必要なんてなく、好きなことを仕事にできたなら、むしろ死ぬ直前まで仕事していられることの方が幸せなような気がする。
もちろん、1人ひとりにとって人生は何通りもあるわけで、それが今までの3ステージからマルチステージに徐々に変化してきている。
俺の場合は高校を卒業してすぐにラーメン屋に就職し、1年で退社してからは、ホストやったり、イタリアンレストランで働いたり、デイトレーダーやったり、プログラマーやったり、スカウトマンやったり、営業マンやったりと、10回以上転職してきた。笑
世間体なんて気にせず、自分にとってプラスになる、あるいは興味がある仕事をやって、自分にとって何が向いていて、何をやることが楽しいかを必死に求めてきたつもりだ。
そして現時点では、「ブログを通して自分の興味あることを発信して、それがお金になればこんな幸せなことはないな」と思ってブログを書いている日々だ。
気付けばアラサーで、「あれっ、いつの間にか俺おっさんやん」なんて思っていたけど、人生100年あるなら、まだまだ東南アジア旅行とか、起業に挑戦してみるとか、できることはたくさんあるようだ。
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